Autonomous & Payments Insightsで公開したNagasawa & Associatesのリサーチノートの全件一覧。Waymo・Tesla Robotaxi・Apollo Go 等を起点に、ロボタクシーを『決済を伴うモビリティサービス』として読み解く構造分析を、公式 IR・規制当局・一次情報を素材として継続的に発行している。
ロボタクシーが最初に置き換えるのはタクシー運転手の仕事だが、本当に替わるのは『誰が運行するか』=タクシーの事業主体そのもの。武漢では運転手が市当局に運行制限を陳情し、米国ではプラットフォーマーが運行を握る一方、Hertz・Avisは自動運転フリートの受託業者へ回った。日本でも2026年『ロボタクシー元年』を起点に、担い手の交代が都市部から地方部へ浸透する──都市はプラットフォーマー主導、地方は自治体主導と、地域で運行の主役が入れ替わる。米中(2026年前半)の実測と主要機関の予測をもとに、日本市場への影響を予測する。
記事を読む自動運転の二つの道を、ティアフォーとテスラで対比する。テスラは約30万行のルール(C++)を単一のエンドツーエンド・ニューラルネットに置き換え、世界中の自社車両が集める走行データで先行する。対するティアフォーは、オープンソースの基盤ソフトAutowareと「自動運転の民主化」を掲げ、安全を説明しやすいルールベースと複雑な場面に強いAIを束ねた「自動運転2.0」で、限定領域のレベル4を狙う。2026年7月22日に東証グロースへ上場するが、想定時価総額は約700億円と直近評価を下回り、AI開発競争のなかでの立ち位置が問われる。筆頭株主はSOMPOホールディングス(約21.3%)で、ヤマハ発動機・いすゞ・KDDI・トヨタなど保険・自動車・通信の事業会社が並ぶ。データとスケールに賭けるテスラと、開かれた基盤と安全の説明可能性に賭けるティアフォー──優劣ではなく賭けの違いを、仕組みから整理する。
記事を読む2020-2025の自動運転を、米国・中国・欧州の3極で俯瞰する入門ノート。米国はWaymo・Tesla・Zoox等で完全無人ロボタクシーの都市拡大、中国はApollo Go・Pony.ai・WeRide等が自治体主導の運行域許可で台数と走行距離を伸ばし、欧州はMercedes・BMWのL3個人車とBosch・Continental・ZFのTier1部品で参入する。GM Cruiseは2024年12月に資金提供停止を発表、2025年前半に実質撤退。Alphabet(Waymo含む)累計$30B超、GM Cruise $10B超、Baidu Apolloは業界推計$3〜5B規模と、CapExは米中の主役プレイヤーに集中する。決済UXは配車アプリ単体(米国型・第2世代)と既存スーパーアプリ統合(中国型・第3世代)に分かれ、欧州はOEM契約と配車アプリ内クレカが併存する。
記事を読む全3回シリーズの最終回。第1回 Tesla(売り切り型)・第2回 Waymo(自社抱え込み型)の2モデルを踏まえ、日本企業がロボタクシー事業のどのレイヤーで参入できるかを6つのモデルに整理。OEM自社ブランド型・OEM車両供給型・タクシー事業者AV提携型・レンタカー・配車アプリ・整備中堅独立系をビジネス確度の星取表(投資の軽さ・アセット活用・自前度・収益確度・総合確度の5軸)で採点。総合確度★★★は②OEM車両供給・③タクシーAV提携・⑤配車アプリの3ポジションで、いずれもCapExを抱えず既存アセットをレイヤーに当てられる点で一致する。
記事を読む全3回シリーズの第2回は Waymo モデル。第1回 Tesla が車両 CapEx をオーナーに売り切る『身軽』な設計だったのに対し、Waymo は 1 台 $100K〜$150K の車両を自社で抱え、R&D・Remote Assistance・新都市マッピングを含む年 $5B 規模の営業損失を Alphabet 本体の利益と $126.8B の手元資金で吸収する垂直統合フリート型。会社単位の年間収支をウォーターフォール(売上 $350M/営業費用 $5.35B/差引 −$5.0B を Alphabet が補填)で可視化し、回収戦略 3 層(プラットフォーム化・OEM ライセンス・本体補填)と黒字化の道筋を整理する。
記事を読むロボタクシーの『1 台あたり初期投資 + ランニング費用 + 全体間接費』はどう回収されるのかを全3回で分解する。第1回は Tesla モデル ─ 車両 CapEx は $30K でオーナーに売り切り、Tesla 自身は FSD ソフト R&D・配車プラットフォーム・サブスク手数料という薄い 3 層に収益を寄せる構造。1 台あたり 5 年累計の収支をウォーターフォール(Layer 1 即時回収 + Layer 2 継続課金 + Layer 3 将来手数料 − 固定費配賦=Tesla 取り分 $17K)で可視化し、第2回 Waymo・第3回 日本市場のビジネス機会への土台を作る。
記事を読む2026 年 3 月 31 日、武漢で Apollo Go が 100 台超を幹線道路上で一斉立ち往生させ、SOS 不通のまま乗客を最長 2 時間閉じ込めた。同時期に Apollo Go・Waymo・Tesla Robotaxi の 3 社は累計乗車 2,000 万件級・フリート 3,000 台級・無人運行 3 都市超と『大規模化フェーズ』に到達。相関障害・当局連携・SOS 可用性・規制認可の 4 つの運営リスク軸で 3 社の現在地を整理し、競争軸が技術成熟から大規模運営設計へ移ったことを論じる。
記事を読むTesla Robotaxi は Waymo と対極の戦略。FSD(ソフト)・車両(ハード)・フリート運営・配車アプリ・決済の 5 層すべてを Tesla 単独で握り、サードパーティを介在させない。Austin 2025 年 6 月開始の運用実態(Safety Monitor 同乗・1 都市限定)、HW4/AI4 ロードマップ、Cybercab 量産計画を起点に、垂直統合モデルの強み(OTA 配信・データ独占・車両 BOM コスト)と弱み(規制対応・地域拡張速度・CAPEX 集中)を Waymo・Apollo Go と並べて構造比較する。
記事を読むWaymo One と Tesla Robotaxi はいずれも、配車アプリ側にカード情報を事前登録し乗車後に自動課金する『アプリ内完結』設計で揃いつつある。タクシー時代の車載カード端末を介さない設計が標準化することで、決済主導権はカード会社や端末ベンダーではなく、配車アプリ事業者に集中する。両社のフロー比較、Take Rate 設計、サブスク導入の経済合理性、日本市場(GO × 日本交通 × Waymo)における既存決済プレイヤー(カード会社・QR 決済・交通系 IC・車載決済端末ベンダー)への含意までを整理。
記事を読む日本のレンタカー業界(市場規模約 4,000 億円、登録車両約 80 万台、上位 5 社で CR5 約 60%)は、自動運転車(AV)の本格投入で『カウンター業』から『フリート運用業』へ構造転換する。AV が変えるのは『運転』ではなく『渡す・戻す』の人手であり、店舗網は資産から負担コストに変質する。タクシー・カーシェアとの境界が溶け、同じ車両プールから時間軸の切り方を変えて配車される将来像まで、5 年・10 年スパンの段階シナリオで整理。
記事を読む東京の自動運転タクシー商用化を押し上げているのは、技術ではなくタクシー業界の労働力供給の崩れである。乗務員数はピーク比約 4 割減、平均年齢 60 歳前後、インバウンドは過去最高更新。三社連合(Waymo × 日本交通 × GO)の動機を需給ギャップから読み直すと、GO の上場準備、AV が解決する変数・解決しない変数、レンタカー・カーシェア・物流への波及までが一気に繋がる。技術導入の意思決定軸が『先進性』から『労働力供給の補完』へ移っていることが、経営企画への最大の示唆である。
記事を読むWaymo は商用 11 都市のうち 9 都市で Waymo One 自社アプリが直接予約・決済を受け付ける Operator。Austin/Atlanta のみ Uber 独占、Nashville は Lyft 併売、東京は日本交通+GO と提携してテスト中。自動運転スタック(Waymo Driver)以外の車両保有・配車・整備を、Moove/Avis/Flexdrive・日本交通・GO といった都市ごとに最適な現地大手に分業させる『プラットフォーマー型ロボタクシー事業者』としての戦略を、3 チャネル × 都市別 × 決済主体マトリクスで端的に整理する。
記事を読む