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Sector Intelligence — Visa & the Anti-Super-App Counter-Move

Olive は Visa の対スーパーアプリ戦略の旗艦である

三井住友銀行と三井住友カードが 2023 年 3 月から提供する Olive フレキシブルペイは、1 枚のカード認証情報で デビット・クレジット・ポイント・追加カードのモードを切り替えられる「世界初」を売り文句にしてきた。しかしその「世界初」の正体は、Visa が 2024 年 5 月に公式発表した次世代カード技術 Visa Flexible Credential(VFC)であり、Olive はその 世界第 1 号の発行案件である。Visa にとって VFC は、Cash App や PayPay のようにアプリの中で資金源を統合してしまうスーパーアプリの脅威に対する、ネットワーク側からの正面回答にあたる。

Olive は SMBC のデジタル戦略であると同時に、Visa のグローバル防衛戦略の旗艦案件である。Visa は VFC を Olive 発でローンチし、その後 1 年で米国 Affirm、UAE Liv、英国 Zilch、ベトナム ACB、そして米欧 Klarna へ次々と展開した。日本のフィンテック報道では Olive は SMBC のサービスとして語られがちだが、Visa の投資家説明会・プレスリリースでは Olive は「VFC のフラッグシップ・ローンチ」として位置付けられている。本稿はこの構図を、Visa の対スーパーアプリ防衛戦という観点から解読する。

01スーパーアプリが Visa に突きつけた構造的脅威

Cash App、PayPay、Mercado Pago、Grab、Nubank ── 世界の主要スーパーアプリに共通するのは、1 つのアプリの中に資金源を複数積み上げる設計である。Cash App であれば Cash Card(デビット)・Borrow(与信)・Investing(株式・ビットコイン)・Afterpay(BNPL)が同居し、ユーザーは使う場面に応じてアプリ内で資金源を切り替える。アプリの中で完結する以上、どの取引が Visa/Mastercard のレールに乗り、どの取引が自社レールに乗るかの主導権はアプリ側に移る

これは Visa にとって 2 つの収益源を同時に侵食する。第 1 に、デビットからクレジットへの切替が アプリ内のソフトウェアで完結すると、別物理カードを発行する場面が消える ── つまりカード発行枚数の伸びが鈍化する。第 2 に、アプリが自社残高(Cash App 残高、PayPay 残高)で決済する取引が増えれば、その分は Visa の interchange を経由しない。Pix(ブラジル)や UPI(インド)のような国家レベルの即時決済ネットワークが普及した地域では、すでにこの侵食が顕在化している。

スーパーアプリがカード網に与える 3 つの侵食 アプリ内資金源統合・自社残高決済・国家即時決済の 3 経路で Visa/Mastercard が displacement される構造図。 スーパーアプリ × カード網 ─ 3 つの侵食経路 スーパーアプリ(Cash App / PayPay / Mercado Pago 等) 資金源を 1 アプリに積み上げ、ユーザーが場面に応じて切替 経路 1:アプリ内モード切替 デビット ⇄ クレジット ⇄ BNPL の切替がアプリ内で完結 → カード発行枚数の伸びが鈍化 経路 2:自社残高決済 Cash App 残高 / PayPay 残高 での決済は閉域内で完結 → interchange を経由しない 経路 3:国家即時決済 Pix / UPI / FedNow 経由の銀行間直結 → カード網を迂回 Visa / Mastercard ── 既存のカード網(受け側)
FIG.01出所:Visa 2024 年度 Annual Report(K-shareholders/Form 10-K)「Competitive Landscape」、Block 2025 Q3 IR、PayPay 2026-03 上場目論見書、Pix(Banco Central do Brasil)公開統計、UPI(NPCI)公開統計を基に再構成。経路 1 は VFC が直接の標的、経路 2・3 は Visa Direct や VAS(付加価値サービス)で別途対応中。

Visa は 2024 年度の年次報告書で、競争環境の項に「Closed-loop networks and account-to-account payment systems(閉域型ネットワークと口座間決済)」を明示的に脅威として記載している。Cash App や Pix を名指しはしないものの、スーパーアプリ・即時決済への警戒は Visa の経営課題として表面化している。

02Visa Flexible Credential とは何か ── カード認証情報の中で資金源を切替える

Visa Flexible Credential(VFC)は、Visa が 2024 年 5 月の年次イベント Visa Payments Forum で正式発表した次世代カード技術である。発表時のキーメッセージは "reinventing the card" ── カードを再発明する、というものだった。中身を整理すると 3 つの設計要素に集約される。

第 1 に、1 つの Visa カード認証情報(PAN または Token)に複数の資金源をぶら下げる。デビット口座、クレジット口座、ポイント残高、プリペイド残高、さらには法人口座・個人口座すらも、同じカード認証情報に紐付けて発行できる。第 2 に、どの資金源で支払うかをユーザーがアプリ内のスイッチで切り替えられる。Olive アプリで「クレジットモード」「デビットモード」「ポイント払いモード」をスワイプで切り替えるのが、まさにこの動作にあたる。第 3 に、取引ごとに支払い方法を選べる仕組みと、金額・加盟店カテゴリに応じた振分の余地がある。米国の Affirm Card は Visa デビットカード(Evolve Bank & Trust 発行)で、利用者は決済ごとに「即時払い(デビット)」か「後払い(BNPL 分割)」かをアプリ内で選択でき、後払いを選んだ場合はその場でリアルタイム与信が行われる。

Visa Flexible Credential の構造 ── 認証情報の中で資金源を切替える 1 枚の Visa カード(Token)の裏側にデビット・クレジット・ポイント・プリペイドの 4 資金源を紐付け、ユーザーまたはルールで切替える構造図。 Visa Flexible Credential ── 内部構造 1 枚の Visa カード認証情報 (PAN / Token、物理カードまたはスマホ) トグル層 ── ユーザー操作 or 自動ルール アプリ内スワイプ / 金額・加盟店カテゴリでの自動振分 デビット口座 即時引落/残高内 Olive:SMBC 普通預金 クレジット口座 後払い/与信枠 Olive:SMCC クレジット ポイント残高 ポイント払い Olive:V ポイント プリペイド/追加カード 事前チャージ/他社カード Olive:他社 Visa 追加可 VisaNet ── すべての取引はカード網経由でルーティング
FIG.02出所:Visa「Visa Flexible Credential」公式プロダクトページ、Visa Payments Forum 2024 講演(Jack Forestell, Chief Product & Strategy Officer、2024-05)、三井住友カード「Olive フレキシブルペイ各支払いモード」ヘルプを基に再構成。VFC は Visa Token Service(VTS)上に構築されており、資金源切替は加盟店側からは「同一カード」として見える。

VFC の設計上のポイントは、加盟店からは依然として「1 枚の Visa カード」に見えることである。資金源の切替はトークンと Visa のルーティングロジックの裏側で完結する。加盟店端末・既存の決済インフラには一切の追加実装が要らず、Visa のネットワーク仕様を満たす場所であれば即日 VFC が動く。これが「カード網を温存したまま、スーパーアプリのモード切替 UX を取り込む」という Visa の戦略の核心である。

"スーパーアプリは Visa の上に立ってモード切替を実装してきた。Visa は逆に、モード切替自体をカード認証情報の機能として吸収しに来た。"

03なぜ Olive が世界第 1 号になったか

VFC は技術仕様としては Visa が一方的に提示できるが、市場投入には カード発行体(イシュア)側の意志が必須となる。複数資金源を 1 枚に統合するには、銀行口座・クレジットカード・ポイント残高の 3 つを 同じ顧客 ID で一気通貫に管理できる発行体が必要だからである。Visa が世界第 1 号として SMBC / SMCC を選んだ理由は、この前提条件に最も適合する発行体だった点に集約される。

第 1 に、SMBC(銀行)と SMCC(カード会社)は 同じ三井住友フィナンシャルグループの 100% 子会社であり、銀行口座・クレジットカード・デビットカード・ポイント(V ポイント)のすべてを 1 つの顧客 ID(Olive 口座 ID)で統合管理できる。米国であれば銀行と発行会社が別法人で利害対立がある場面が多いが、日本では SMFG の中で完結する。第 2 に、日本のクレジットカード市場は Visa が圧倒的なシェアを取っており、加盟店側が Visa 認可済みの場面で困らない。第 3 に、SMBC は「PayPay や楽天経済圏に対抗するデジタル接点」を緊急で必要としており、Visa の新技術を最初に試す動機が強かった(PayPay の急拡大は SMBC を含む 3 メガにとってデジタル顧客接点の喪失を意味する)。

Olive のローンチは 2023 年 3 月(申込受付開始は 2023 年 3 月 1 日)、サービス名は「Olive フレキシブルペイ」。当時は「世界初のフレキシブルペイ」として広報され、Visa Flexible Credential という言葉は前面には出されなかった。Visa が VFC として再ブランディングしたのは 2024 年 5 月、その時点で Olive はすでに 200 万口座を超えていた(2024-02)。SMBC のサービスを Visa の戦略商品として再パッケージするという順序を取った点が、この案件の構造をわかりにくくしている。

厳密には「世界初」には 2 つの局面がある。1 つは 2023 年 3 月のローンチ時点でアプリ内でデビット/クレジット/ポイント払いを切り替える「フレキシブルペイ」自体が世界初だったこと。もう 1 つは 2024 年 5 月に追加された「他社カードを最大 5 枚まで Olive フレキシブルペイに統合できる」機能で、これも世界初として広報された。本稿が「VFC 世界第 1 号」と呼ぶのは前者(モード切替の仕組み)を指すが、両者は別タイミングの発表である点に留意されたい。

Olive の口座数推移と Visa の VFC 発表タイミング 2023年3月のOliveローンチから6M口座超まで、Visaが2024年5月にVFCを正式発表したタイミングを併記した時系列図。 Olive 口座数 × Visa VFC ローンチ ── 時系列 2023-03 2024-02 2024-07 2025-03 2025-07 ローンチ 200 万 口座 300 万 口座 500 万 口座 600 万 口座 VFC 正式発表 Affirm 米国展開 2024-05 2024-11 Olive 口座数(SMBC / SMCC 公表) Visa の VFC 関連イベント
FIG.03出所:三井住友銀行ニュースリリース(2024-02-29「Olive 200 万アカウント突破」/2024-07-26「300 万アカウント突破」/2025-03-28「500 万アカウント突破」/2025-07-15「600 万アカウント突破」)、Visa 公式プレスリリース「Visa Flexible Credential Goes Global」(2024-11-12)。Olive 先行ローンチから 14 カ月後に Visa が VFC として正式発表した時系列。

Visa の公式発表によれば、Olive 利用者のうち 約 70% が VFC のモード切替機能を実際に使っている(Visa, 2024-11-12 リリース、当時 300 万カード基準)。多くの新技術が「実装はされたが使われない」状態に陥るなか、7 割が能動的に切替を行うのは異例の高さである。Visa がこの数字を VFC を他の発行体に売り込む際のリファレンス指標として繰り返し引用していることが、Olive を旗艦に選んだ戦略上の見返りそのものを物語る。

04VFC のグローバル展開 ── Olive 発で世界 5 地域へ

Olive で実装が成功したと判断した Visa は、2024 年後半から VFC のグローバル展開を一気に加速した。地域別の主要発行体を整理すると、Visa がどのタイプのプレイヤーを VFC のチャンネルに据えようとしているかが見える。

地域 発行体 サービス/カード名 切替モード ローンチ
米国Affirm(Evolve Bank 発行)Affirm Cardデビット / BNPL / 金額・カテゴリでの自動振分2024-11
UAELiv(Emirates NBD 傘下)Liv マルチカレンシーカードUSD / GBP / EUR / CAD / AUD2024-11
英国Zilch(Thredd 経由)Zilch Cardデビット / BNPL(背後に複数の支払いオプション)2026-05(Visa/Zilch/Thredd 公表)
ベトナムAsia Commercial Bank(ACB)ACB Visa Flexデビット / クレジット2025(東南アジア初)
米 / 欧Klarna(WebBank 発行 / Marqeta 処理)Klarna Cardデビット(既定) / Pay in 3 / Pay Later / 長期分割2025-07 米トライアル → 2025-09 欧展開

発行体の出自を見ると、Visa の VFC 戦略が スーパーアプリ的競合(BNPL、ネオバンク、デジタル銀行)を巻き込む形で設計されていることが分かる。Affirm と Klarna は本来「BNPL でカード網を迂回する」プレイヤーであり、Visa にとっては敵側に近かった。それを VFC の発行体として取り込むことで、Visa は BNPL の取引すら自社カード網に乗せ替える仕掛けを作っている。同様に Liv(UAE のデジタルファースト銀行)と Zilch(英国の BNPL)も、本来は Visa にとって displacement 側に位置するプレイヤーだった。Visa の VFC は技術的な新カードであると同時に、「敵を味方に変える」事業開発の道具でもある。

地理的には、Visa は EU 圏と CEMEA(中・東欧/中東/アフリカ)を 2025〜2026 年の本格展開エリアとして明示している。一方、中国市場には VFC の入る余地はほぼない(WeChat Pay / Alipay の閉域経済圏が完成しているため)。Visa の VFC 戦略は、中国型スーパーアプリが他地域で完成する前にカード網を防衛するという時間軸の競争でもある。

"Olive は SMBC のデジタル戦略であると同時に、Visa が世界 5 地域に展開する旗艦リファレンスでもある。"

05SMBC / Visa 双方の取り分 ── この提携で何が交換されたか

VFC は Visa が一方的に SMBC へ持ち込んだ技術ではない。SMBC は VFC のローンチパートナーとして、Visa から世界第 1 号の優位性を受け取った。逆に Visa は SMBC を介して、日本というクレジットカード成熟市場で 「VFC が機能する」事実証拠を 600 万口座規模で確立した。この取引の中身を整理すると以下になる。

取引項目 SMBC / SMCC が得たもの Visa が得たもの
技術ライセンスVFC の世界第 1 号実装権 / 「世界初」マーケティング大規模イシュアでの実装事例
市場ポジションPayPay / 楽天経済圏に対抗するデジタル接点(Olive)日本での Visa シェア維持(JCB/Mastercard に対する優位)
運用データ600 万口座のクロスセル基盤(与信・投資・保険へ展開)「70% がモード切替を使う」リファレンス指標
グローバル展開SMCC 法人カード VFC 化(個人+法人を 1 枚で切替)Affirm/Klarna/Liv/Zilch へ横展開する売り込み材料
ブランド「世界初のフレキシブルペイ」という独自地位「カードを再発明する Visa」というナラティブ

SMBC 側にとって決定的なのは、VFC を取り込んだことで Olive を「単なるオールインワンカード」から「次世代スマホ金融プラットフォーム」へ昇格させられた点である。VFC がなければ、Olive はメガバンクのデジタル化施策の 1 つに留まり、600 万口座という規模感には到達しなかった可能性が高い。Olive のグループ会員数は 2025 年 7 月時点で SMBC 個人顧客の純増を牽引しており、PayPay や楽天との顧客接点獲得競争で SMBC が選択した 「Visa の世界戦略に乗る」道は、結果として奏功したと評価できる。

Visa 側にとっての対価は、日本市場での JCB / Mastercard に対するブランド優位の固定化である。SMCC は日本で Visa 主導のカード発行体であり、Olive が SMBC / SMCC で立ち上がるということは、Visa ブランドのデビット / クレジット / ポイントが同一の認証情報で発行されることを意味する。Olive ユーザーが 1 枚増えるたびに、日本国内のカード基盤における Visa の構造的シェアが 1 増える ── これは個別の発行手数料以上の長期的な戦略価値を持つ。

063 メガ/日本のデジタル戦略から見える示唆

日本の事業会社の経営企画 / 新規事業担当が Olive / VFC の構造から得られる示唆は 3 つに集約される。

第 1 に、「日本発の世界初」を取りに行く際、グローバルネットワーク事業者の戦略商品の第 1 号案件になる、という設計が有効である。SMBC は VFC を世界第 1 号として実装したことで、3 メガの中で最も明確な差別化軸を獲得した。三菱 UFJ / みずほは Olive 相当のオールインワンカードを後追いで検討しているが、「世界第 1 号」というブランド価値はもう取り戻せない。これは個別技術の優劣ではなく、Visa のローンチスケジュールに最初に手を挙げたかどうかで決まった戦略ポジションである。

第 2 に、スーパーアプリ競争では「自社レール」「ネットワークレール」のどちらに乗るかの選択が事業構造を決める。PayPay/楽天経済圏は自社レール(自社残高・自社経済圏)を選び、SMBC / Olive は Visa レールを選んだ。前者は加盟店との直接交渉と独自経済圏の構築が必要で、後者は Visa の既存加盟店網を即日活用できる。日本の事業会社が決済・金融サービスを企画する際、どちらの設計を選ぶかは収益構造・必要投資・スピードのすべてに影響する

第 3 に、カード網と銀行口座を 1 つのグループ内に保有することの戦略価値が、VFC によって再評価される。SMFG が SMBC(銀行)と SMCC(カード)の両方を 100% 子会社に持っていたことが、VFC の世界第 1 号を取れた構造的前提だった。日本の他のメガバンクや、海外の銀行 / カード会社の組み合わせを検討する事業会社にとって、「同一グループ内でフルスタック揃えること」の優先度は VFC 以降の世代では上がっている。

結論:Olive は SMBC の戦略ではなく Visa の戦略でもある

三井住友銀行 Olive フレキシブルペイの「世界初」という売り文句の裏には、Visa Flexible Credential という Visa 側のグローバル防衛戦略が存在する。スーパーアプリがアプリ内で資金源を統合する動き(Cash App、PayPay、Mercado Pago)に対し、Visa は 「カード認証情報の中で資金源を切替える」という反撃で応じた。Olive はこの反撃の世界第 1 号案件であり、Visa は Olive の 600 万口座・70% トグル利用率を VFC を Affirm/Klarna/Liv/Zilch/ACB に売り込む際のリファレンスとして戦略的に活用している。

日本のフィンテック報道では Olive は SMBC のデジタル戦略として語られがちだが、Visa の経営戦略の文脈で読むと、Olive は 「Visa が日本という成熟市場で実証した次世代カードの旗艦」として位置付けられている。SMBC / SMCC / Visa の 3 者にとって、この提携は単なる Visa ブランドカードの発行ではない。銀行・カード会社・グローバルネットワーク事業者の 3 者が、スーパーアプリの脅威に対して同じ戦略目的を共有した結果のプロダクトである。

日本の事業会社が新規事業 / デジタル戦略を企画する際の含意は、グローバルなネットワーク事業者が抱える戦略課題(ここでは Visa の対スーパーアプリ防衛)を察知し、その第 1 号案件として手を挙げることに、独立した競争優位がある、という点である。これは技術選定の優劣ではなく、グローバル事業者のスケジュールと自社のスケジュールを同期させる経営判断の問題である。SMBC が VFC で取ったポジションは、他の業界・他の領域でも再現可能な戦略形式である。

主要出典: Visa Inc.「Visa Flexible Credential Goes Global: Transforming the Card for a Digital Future」公式プレスリリース(2024-11-12、Affirm/Liv/Olive 統計を含む)/ Visa Inc.「Visa Reinvents the Card, Unveils New Products for Digital Age」(Visa Payments Forum、2024-05)/ Visa Inc. Form 10-K(FY2024 年次報告書、競争環境・閉域型ネットワークへの言及)/ Visa「Visa Flexible Credential」公式プロダクトページ(usa.visa.com/visa-dps)/ 三井住友銀行ニュースリリース「Olive 200 万アカウント突破」(2024-02-29)/「300 万アカウント突破」(2024-07-26)/「500 万アカウント突破」(2025-03-28)/「600 万アカウント突破」(2025-07-15)/ 三井住友銀行「Olive フレキシブルペイ」公式ページ三井住友 VISA カード「各支払いモードの特徴」 / Tokyo FinTech / Norbert Gehrke「Launch of Visa's Flexible Credential for SMBC Bank's Olive Flexible Pay」(Medium、2024-06)/ PYMNTS「Visa's Flexible Credential Goes Live in US With Affirm, and Cross-Border With UAE's Liv」(2024-11)/ Electronic Payments International / Visa 公式「Visa Flexible Credential brings more flexible ways to pay to Zilch cardholders in the UK」(2026-05-12 公表)/ The Paypers「ACB rolls out Southeast Asia's first Visa Flex Credential」(2025)/ Visa Corporate「Klarna & Visa launch card with increased flexibility」(Money 20/20 Europe、2025-06)/Klarna「Klarna launches debit-first card across Europe」(2025-09-02)/Marqeta「Marqeta Powers Expansion of Klarna Debit Card Across Europe」(2025-11-03)/ Business Insider Japan「600 万口座突破の三井住友 FG『Olive』の現在地」(2025-07)/ Sumitomo Mitsui Financial Group「Aiming to open the most accounts in Japan with Olive」IR 資料(2023-08)。 数値・サービス仕様は 2026 年 5 月時点の公開情報に基づく。ドル円換算は概ね 1 ドル ≒ 150 円で算定(記事執筆時点の参考レート、データソース別に多少の振れあり)。原データが円建てで発表されている項目はドル換算を併記しない。